山登り

温泉入りにアルプス越え

遠見尾根-唐松岳-祖母谷温泉-白馬-唐松岳-五竜岳-遠見尾根

山行概要

 今年から山の日が制定されました。北アルプスで歩いていないコース、祖母谷温泉に行くことにします。5日間をフルに使い、唐松から祖母谷に降り白馬に上り返すかなりハードなルートです。

目的 アルプスで温泉に入る
日程:2016/ 8/11(祝)~15(月)
1日目 8/11(祝):遠見尾根-唐松山荘:晴れ
2日目 8/12(金):唐松岳-餓鬼山-祖母谷温泉:晴れ
3日目 8/13(土):祖母谷温泉-清水岳-白馬頂上宿舎:晴れ
4日目 8/14(日):白馬頂上宿舎-杓子岳-白馬鑓ヶ岳-不帰キレット-唐松岳:晴れ
5日目 8/15(月):唐松山荘-五竜岳-遠見尾根:曇のち雨

アプローチ

 自宅を21:30頃出発。2回ほど仮眠をしたので長野ICを降りたのは25:00過ぎ。26:00過ぎに五竜の駐車場に着いて、軽くビールを飲み就寝します。

1日目 8/11(祝) 遠見尾根-唐松山荘

o 実行程
・2016/ 8/11(祝):晴れ
    リフトトップ 07:25-(休憩1回0:05)-(1:07/1:30)-
08:37 小遠見山 08:49-(0:58/1:50)-
09:47 大遠見 09:55-(休憩2回0:19)-(1:54/2:00)-
12:08 小屋分岐 12:08-(休憩1回0:09)-(2:13/2:30)-
14:30 唐松岳頂上山荘 14:39-(0:12/0:15)-
14:51 テント 15:21-(0:17/0:20)-
15:38 唐松岳頂上山荘 18:51-(0:13/0:15)-
19:04 テント
歩行時間 6:54/8:40(=0.86)
休憩時間 4:45(テント設営、食事=3:30)
全行程 11:39

 4:30に起床。駐車場はガラガラです。早く目覚めたのでゆっくりと仕度をします。テレキャビン乗り場で登山届を提出。係員に注意事項を確認し、テレキャビンとリフトを乗り継ぎ地蔵の頭へ。雲はありますが、いい天気で八方尾根の稜線がくっきり見えます。所々に設置されているミニ釣り鐘を叩きながら上っていきます。
 一ノ背髪、小遠見山、中遠見山、大遠見、西遠見とポイントが頻繁にあるのでペース確認が楽です。白岳で視界が広がります。前回は五竜岳に登ってから唐松に向かいましたが、今回は荷物が多いのと、テント場の混み具合が心配なので、五竜山荘へもよらずに唐松に向かいます。大黒岳付近の稜線で一休み。この辺から急な上りになり岩場も増えてきます。いくつかの鎖場を越えると、唐松山荘が見えてきました。
 小屋で手続きをすると、祖母谷に下る登山者には支配人がルートの注意点を説明してくれました。餓鬼山の上りでは直射日光で後頭部をやられやすいので注意、濡れて黒くなった石は滑りやすい、等々。テント場はかなり埋まっており、だいぶ下まで行かないと空きはありません。10分程下り空きを見つけてテントを張ります。ここまで小屋から一々ビールを調達するのは手間なので、食材・食器をザックに入れて小屋まで上ります。小屋前のテーブルで食事を作りビールをいただきます。他の登山者と話をしながら、日没までいてテントに戻ります。

テレキャビン+リフト:1400円
テント:1000円
ビール350mL:600*3=1800円
水2L:300円
合計:4500円
 

コースマップ(8/11)

合計距離: 10293 m
最高点の標高: 2656 m
最低点の標高: 1644 m
累積標高(上り): 2070 m
累積標高(下り): -1087 m
総所要時間: 10:45:36

2日目 8/12(金) 唐松岳-餓鬼山-祖母谷温泉

o 実行程
・2016/ 8/12(金):晴れ
    テント 04:09-(0:11/0:15)-
04:20 唐松岳頂上山荘 04:33-(0:13/0:20)-
04:46 唐松岳 04:53-(0:14/0:15)-
05:07 唐松岳頂上山荘 05:07-(0:08/0:10)-
05:15 テント 05:55-(休憩1回12分)-(1:43/1:50)-
07:50 水場入口 07:54-(0:05/0:07)-
07:59 水場 08:08-(0:05/0:08)-
08:13 水場入口 08:21-(1:19/2:00)-
09:40 餓鬼山 09:56-(0:39/1:00)-
10:35 避難小屋 10:46-(0:41/0:40)-
11:27 餓鬼ノ田園 11:27-(0:31/0:40)-
11:58 南越峠 12:08-(1:25/2:10)-
13:37 祖母谷温泉
歩行時間 7:14/9:40(=0.75)
休憩時間 2:14(テント撤収=0:40)
全行程  9:28

 3時頃起床。気温は15℃。お湯を入れるだけのリゾットとスープで朝食をとります。唐松岳での日の出を見るために4時過ぎにテントを出発。小屋でトイレを済ませ山頂に向かいます。日の出前の景色をしばし楽しみます。あまりゆっくりしていられないので、日の出前に山頂を後にします。5時頃に小屋の手前で朝日が昇ります。テントに戻り撤収し、祖母谷を目指します。
 唐松岳直下をトラバース気味に下りますがいきなり鎖場です。登山道はやがて尾根に乗り樹林帯に入ります。50分ほど下り標高2220m付近で一休み。更に下って行くと木道が現れしばらくすると水場分岐の標識があります。ザックを置いて水を汲みに。5分ほどで沢に出ます。ここまで500mL消費しているので、1.5Lあれば十分でしょう。
 水場入り口から数分で大黒鉱山跡の道標が。この辺から餓鬼山への上りとなります。左側には剱岳が見えます。かなり急な坂を上りきり餓鬼山に到着。水場からのコースタイム2時間の所1:20で到着。唐松山荘の支配人の言葉を意識したせいか、さほどきつくはありませんでしたが、ここまで更に500mLを消費しました。
 ここからはほぼ下り。しばらく行くと避難小屋に到着です。4畳ぐらいと広くはありませんが、とても綺麗な小屋でした。地形図や山と高原地図では池の側にありますが、1919PKのやや西側にありました。餓鬼の田園は気づかず通過します。南越峠で尾根を外れて急斜面になります。ロープや倒木をいくつも乗り越えて下ります。やがて南越沢当たり、沢沿いに下ります。祖父谷が見えしばらくすると祖母谷温泉が見えてきます。橋を渡って到着です。
 外のテーブルには何人かが休んでいました。受付を済ませ、まずはビールをいただきます。テントを張り温泉に入り、夕食をいただきます。鑓温泉から白馬経由でやってきたテント泊の登山者と話をします。明日は唐松を越えて下山するとの事。早い人はたくさんいます。暗くなってからもう一度温泉に入り、眠りに付きます。

テント:600円
入浴:600円
ビール500mL*4:550*4=2200円
合計:3400円

コースマップ(8/12)

合計距離: 14059 m
最高点の標高: 2702 m
最低点の標高: 758 m
累積標高(上り): 1392 m
累積標高(下り): -3254 m
総所要時間: 09:16:37

3日目 8/13(土) 祖母谷温泉-清水岳-白馬頂上宿舎

o 実行程
・2016/ 8/13(土):晴れ
    祖母谷温泉 04:07-(休憩7回1:01)-(5:05/5:00)-
10:13 不帰岳避難小屋 10:18-(休憩1回0:17)-(2:32/2:30)-
13:07 清水岳 13:20-(休憩1回0:09)-(2:18/2:00)-
15:47 白馬頂上宿舎
歩行時間 9:55/9:30(=1.04)
休憩時間 1:45
全行程 11:40

 今日は行程が長いのと、標高が低くて暑いのとで、早めに出発することにします。2時過ぎに起床。早々にテントを撤収して、小屋前のテーブルで朝食を取ります。唐松方面に上り返すお兄さんも起きてきました。
 真っ暗な中出発します。まずは林道を進みます。途中、河原へ下る道もあり、少し戸惑います。昨日明るいうちに確認しておくべきだったと反省。トンネル手前が広くなっていて登山口の案内板が置いてあります。名剣沢の水のない河原をしばらく上ってから右の尾根に取り付きます。この後は延々と右にトラバース気味に上っていきます。早い時間に出発したとはいえかなり暑く、水場が現れるたびにザックを下ろして休憩します。6時半頃になると日が当たるようになり更に暑さは増します。避難小屋から降りてきたと思われる数名とすれ違います。特に大した事のない鎖場がありますが、体力を消耗しているのか、結構苦労して越えます。
 やっとの事で不帰岳避難小屋に到着。コースタイム5時間の所、5時間プラス休憩1時間の6時間かけて到着します。昨日の避難小屋といい、ここの避難小屋もきれいでした。
 小屋を過ぎるとほとんど尾根筋で森林限界も越え展望も開け上りやすくなります。ガスが湧いてきて遠望が効かないのはちょっと残念ですが、花もたくさん咲いていて癒やされます。清水岳は縦走路から少し離れていますが、百高山なので山頂に向かいます。所々登山道は不明瞭ですが、特に危険な箇所もなく山頂を踏みました。縦走路に戻り先に進みます。ここから尾根歩きで、到着時間も少し見えて来ました。小朝日岳のピークを巻いて裏旭岳への急坂を上り切ります。旭岳の南側を巻きながら上っていくと白馬岳が見えてきます。かなり小さくなった雪田を越え白馬の稜線に上り返し、やっと頂上宿舎に到着です。長い道のりでかなり疲れましたが、祖母谷から一日で上ってきた達成感はひとしおです。
 テント場はかなり埋まっていて、奥の少し上った岩場に空きを見つけて今夜の宿とします。ただ、いつも張っている小屋に近い所では見えなかった白馬の山頂がここからは見えます。いつも通り、ビールを飲みながらつまみを作ります。日没はこれまたいつも通り、丸山まで行きます。薄くただよっていたガスも晴れ、きれいな日没を見ることができました。小屋でビールを仕入れ、テントで夕食を食べ眠りにつきます。

テント:1000円
ビール500mL*2:700*2=1400円
合計:2400円

コースマップ(8/13)

合計距離: 17110 m
最高点の標高: 2771 m
最低点の標高: 771 m
累積標高(上り): 3849 m
累積標高(下り): -1936 m
総所要時間: 12:30:55

4日目 8/14(日) 白馬頂上宿舎-杓子岳-白馬鑓ヶ岳-不帰キレット-唐松岳

o 実行程
・2016/ 8/14(日):晴れ
    白馬頂上宿舎 04:58-(0:49/1:00)-
05:47 杓子分岐 05:53-(休憩1回0:10)-(1:12/1:00)-
07:15 白馬鑓ヶ岳 07:24-(0:19/0:20)-
07:43 鑓温泉分岐 07:45-(0:26/0:20)-
08:11 天狗山荘 08:30-(1:22/2:00)-
09:59 キレット 10:03-(2:12/3:00)-
12:26 唐松岳 12:32-(0:19/0:15)-
12:51 唐松岳頂上山荘 12:55-(0:10/0:15)-
13:05 テント 13:46-(0:14/0:20)-
14:00 唐松岳頂上山荘 15:50-(0:13/0:15)-
16:03 テント
歩行時間 7:16/8:45(=0.83)
休憩時間 3:49(テント設営、食事=2:20)
全行程 11:05

 丸山で日の出を迎えようとテントを撤収し出発しますが、タッチの差、丸山直前で日が昇ります。今日もいい天気です。ウルップソウの群生がありますが、時期遅れで煤けて茶色になっていました。杓子岳山頂は朝早くから結構な人数で賑わっていました。少しガスがかかっているので、ブロッケンも現れます。稜線を進み白馬鑓ヶ岳に到着するとガスはすっかり取れ晴れ渡りました。
 これから歩く縦走路が遠くまではっきり見え、その向こうに五竜岳、鹿島槍ヶ岳、更には槍穂高まで確認できます。鑓温泉への分岐を過ぎ、一山越えると天狗山荘に到着です。甘い行動食が乏しくなったのでチョコレートを1箱買い、外の水場で水を汲みます。
 天狗の頭を過ぎ気持ち良い稜線を下っていきます。大下り手前で休憩。ここからは、キレットの底まで一気に約250m下り、鎖場を上り返します。一峰を越えたコルで、やはりストックが邪魔なのでしまいます。更に鎖場をいくつも越え、二峰北でこの先の登山道が明瞭なのが確認できたので、ストックを出します。二峰南まで来ればキレットもほぼ終わり。唐松岳に向かって最後の坂を上っていきます。山頂はかなりの人がいました。しばし景色を楽しみ、唐松山荘に3日ぶりの帰還です。まだ昼過ぎたばかりでテント場は空いていますが空きのある所までそこそこ下ります、前回と同じようにテントを張って、小屋前のテーブルまで上ります。途中、山荘の支配人が外で仕事をしていたので無事祖母谷から戻ってきた旨の報告します。テーブルでビールを飲みながら食事を取ります。ガスが上がってきて小屋付近は真っ白になります。そのままガスは晴れず気温も下がって来たので、テントに戻り夕食を食べて眠りにつきます。

行動食:300円
テント:1000円
ビール350mL:600円
水2L:300円
合計:2200円

白馬鑓ヶ岳からのパノラマ画像

白馬鑓ヶ岳からのパノラマ画像は↓

白馬鑓ヶ岳からのパノラマ画像
2016/ 8/14  日の出前に頂上宿舎を出発。杓子岳では覆っていたガスも、ここまで来たら晴れました。

コースマップ(8/14)

合計距離: 10460 m
最高点の標高: 2905 m
最低点の標高: 2449 m
累積標高(上り): 1091 m
累積標高(下り): -1547 m
総所要時間: 08:39:50

5日目 8/15(月) 唐松山荘-五竜岳-遠見尾根-五竜スキー場

o 実行程
・2016/ 8/15(月):曇り後雨
    テント 04:15-(0:11/0:20)-
04:26 唐松岳頂上山荘 04:49-(休憩1回0:09)-(1:52/2:30)-
06:50 五竜山荘 06:58-(0:48/1:00)-
07:46 五竜岳 07:52-(0:37/0:40)-
08:29 五竜山荘 08:41-(1:25/1:20)-
10:06 大遠見 10:14-(休憩1回0:04)-(0:54/1:30)-
11:12 小遠見山 11:19-(休憩1回0:05)-(0:51/1:00)-
12:15 地蔵頭 12:15-(0:17/0:15)-
12:32 アルプス平
歩行時間 6:55/8:35(=0.81)
休憩時間 1:22
全行程  8:17

  2時半に起床。テント内は15℃。雑炊とコーヒーを飲みテントを撤収。雨は降っていませんが周りはガスで覆われています。小屋でトイレを済ませ、水500mLを購入します。小屋のテレビに何人かが群がっていてオリンピック男子テニスシングルス3位決定戦の生中継でした。錦織が銅メダルを取ったのを確認し、小屋を後にします。雨具の上だけ着て出発します。周りはほとんど真っ暗。いきなりの鎖場なので気をつけて下ります。ヘッデンに雷鳥が照らされます。やがて夜が明け明るくなりますがガスは晴れません。幻想的な中、稜線を進み、大黒岳の手前で雨具を脱ぎます。時折かすかに太陽が顔を出すようになりました。五竜岳に登るかどうか迷いましたが、展望が開けることを期待して、五竜山荘にザックを置き、サブザックで五竜岳に向かいます。霧雨が降ってきましたが雨具を着るほどではありません。残念ながら期待に反して山頂での展望は全くありませんでした。山荘に戻り遠見尾根を下ります。唐松山荘で確認した予報では11時から雨となっていました。小遠見山を過ぎ、雨が降り出しすぐに強くなりました。もう少しでゴンドラですが雨具の上下を着て下ります。地蔵の頭からはリフトを使わず木道を歩いてテレキャビンの駅に向かいます。この辺は白馬五竜植物園になっていて、色々な花が咲いています。駅のテーブルで雨具を脱ぎ、テレキャビンに乗り込みます。乗り場では係員がおしぼりをくれました。ありがたいサービスです。
 車に戻り、倉下の湯で5日間の汗を流し、そば神でそばを食べて帰京しました。

 5日間の累積標高差は10,000mを越えていました。かなりハードな山行を、ほとんど好天の中、無事終了できた事に感謝します。一番きつかったのは、やはり祖母谷からの上りでした。避難小屋に1泊して清水平の花をゆっくり楽しむのがいいように思います。あるいは一気に白馬から避難小屋に下って、翌日上り返すかです。不帰嶮は2度目で、前回は唐松側からなので岩場は下りでした。一般的に難易度の高い岩場は上りの方が安全と言われますが、荷物が大きい場合、岩場の上りは負担が大きいので、不帰嶮の場合、逆ルートの方が楽に通過できたように思います。

水500mL:300円
テレキャビン:1000円
倉下の湯:600円
合計:1900円

総計:14400円

コースマップ(8/15)

合計距離: 13224 m
最高点の標高: 2831 m
最低点の標高: 1458 m
累積標高(上り): 1541 m
累積標高(下り): -2662 m
総所要時間: 08:31:38

コースマップ(8/11-15)

合計距離: 65669 m
最高点の標高: 2905 m
最低点の標高: 758 m
累積標高(上り): 10142 m
累積標高(下り): -10641 m
総所要時間: 05:20:14

参考サイト

唐松岳〜祖母谷温泉〜白馬岳 三角山越え(2008.8)
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